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インバウンド消費は年々上がり続けていますが、注目すべきは日本のアパレルブランドです。購入の6割以上が外国人観光客というブランドや、富裕層に人気のブランド、アジアのトップクラスブランドなど訪日外国人に人気ブランドが多数あります。どの国の観光客がどれぐらいの割合で購入しているのか、データに基づきながらインバウンド対策についてご紹介しましょう。
日本を訪れた外国人観光客はさまざまな商品を購入していますが、アパレルブランドの評価はどうでしょうか。
2017年のデータによると、訪日外国人が日本で購入する商品の割合は菓子・食品・飲料が約65~67%、医薬品や健康グッズなどが約53%、衣服類は約37%です。ひとりあたりの購入金額は、食品類が8,000~1万円程度、医薬品や健康グッズで1万6,000円程度ですが、衣服類は単価が高いため約2万8,000円となっています。
訪日外国人の3人にひとりは購入する衣服類。お金をかける金額が大きいことからも、日本のアパレルに対する関心の高さがよくわかります。
訪日外国人観光客が日本のアパレルを好んで購入する理由に、「デザイン性」と「価格」があげられるようです。
衣服を購入した訪日外国人の約33%が「デザインが良い、かわいい、きれい」と回答し、「手頃な価格に満足した」と回答した人の割合も3割近くにのぼりました。ほかの商品にも言えることですが、訪日中に買いだめする外国人が複数いることも考えられます。いずれにせよ、アパレル店舗がインバウンド向けに商品戦略を考える際には、「デザイン性」と「価格」のふたつが重要となることは間違いありません。
そのほかの理由としては「品質の良さ」が約16%、「自国では入手できないため」が約6%、「好きなブランドだから」が約5%という回答もありました
年々増加の一途をたどっているインバウンド。店舗の売上拡大のチャンスです。やるべきインバウンド対策をご紹介します。
訪日外国人が日本で買い物をする際の必需品が、スマートフォンやタブレットです。日本で流行している物やお土産におすすめの商品情報を、スマートフォンやタブレットでリサーチしながら買い物をする外国人をよく見かけるでしょう。店舗内にWi-Fi環境が整っていれば、ショッピングがより快適になり集客に繋がります。
日本では商品を購入すると消費税が課せられます。消費税は、日本国内で購入した物を日本国内で消費(使用)する場合に課せられる税金なので、訪日外国人が自国へ持ち帰るために購入した物は課税対象にはなりません。
このため訪日外国人が自国に持ち帰る目的で買い物をする場合も、免税店(TAX FREE SHOP)で購入したり、免税手続きを行ったりすることで消費税は非課税に。商品単価が高い衣服類は消費税も高くなるため、免税手続きをすればお得に商品を購入することができます。訪日外国人の免税購入率は、約20%にものぼるほどです。
こうしたことからも、免税店への移行はインバウンドにとても有利な対策と言えるでしょう。店舗を免税店化するには、いくつかの要件を満たしたうえで、管轄の税務署に申請しなければなりません。「国税の滞納がないこと」「訪日外国人の利用が見込まれる立地」「免税手続きをするための人員と設備があること」などが条件です。
インバウンド対策として、最も必要とされるのは通訳です。英語はもちろん、それ以外の第2外国語を話せるスタッフがカギを握る存在。2018年4月の訪日外国人数は、中国が68万人以上、韓国が63万人、台湾が47万人と続き、全体の約68%を占めています。中国語、韓国語が話せる人材は必須と言っても過言ではないでしょう。
日本のアパレルのインバウンド対策として、ターゲットとなる訪日外国人はどこの国の観光客でしょうか。
訪日外国人が多い国は、中国、韓国、台湾、香港、アメリカの5カ国です。この主要5カ国の衣服類購入率は、香港が約54%で1位、台湾・中国も45%弱と、中華圏出身のふたりにひとりが日本で衣服を購入していることになります。
しかし購入額においては中国がダントツ。ひとりあたり約5万円を衣服の購入に使っています。中国の平均旅行支出額はひとりあたり約22万8,000円。その内の4分の1を衣服に充てている計算になります。そのため、購入額の高い中国の観光客をメインに、中華圏の訪日外国人をターゲットにすると良いでしょう。
訪日外国人が日本の商品を購入した際の満足度は、国や商品によってまちまちです。医薬品・健康グッズなどは、韓国で約21%と高い満足度が得られましたが、アメリカでは1%にも満たず国によって差が出ました。しかし衣服類に関しては、主要5カ国全てが約15%を超える結果で、中国では40%近い人が満足しています。日本のアパレルは、訪日外国人に高い評価を得ていることがよくわかるでしょう。