Effect
ラウンダーに
期待できる
効果
ラウンダーの仕事には本部と店舗の連動力を高め、店頭での効率的な売り場を作り、本部立案の戦略を現場に落とし込んで狙い通りの結果を実現するといった業務が含まれています。では実際に導入すると、具体的にはどういった変化が数字の上で生まれるのでしょうか。今回はラウンダーの効果についてまとめました。
自社の要望が小売り本部から店舗側にスムーズに伝わり、思った通りに売り場が実現する可能性が高まります。通常は小売り本部と店舗側の連携ミスや、店舗側のミス、店長やカテゴリ担当者の現場判断などの影響で、売り場に本部決定事項が具現化されないケースが多いです。ラウンダーが定期的、かつ頻繁に店舗を巡回すれば、売り場で本部決定事項が確実に具現化されるように働き掛けができるようになります。
メーカーの本部営業担当者の手が回らず、本部決定事項が具現化されないまま小売店舗の売り場が放置されるケースは少なくありません。定期的に、かつ頻繁にラウンダーが自社商品の売り場をチェックするようになれば、本部決定事項が売り場に反映できますし、消費者が自社商品を見やすく、手に取りやすく、買いやすい、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)を意識した売り場・店舗も実現できるようになります。
メーカーの営業担当者にとって、主要な得意先ではない店舗で、売り場の拡大や優位置の展開を実現しようと思っても、容易ではありません。しかしラウンダーが定期的、かつ頻回に店舗を巡回すれば、小売店舗の店長、カテゴリ担当者との関係を深められます。結果としてライバル企業の商品との関係の中で、優位置で自社商品を展開できる可能性が高まります。売り場の拡大に関する交渉でも、有利になります。
手が回らず、年に数回しかメーカー営業担当者が訪問できていない小売りチェーンの店舗にも、ラウンダーは定期的に訪問してくれます。現場では新商品やキャンペーンに関する情報の提供、商品のサンプル提供を行います。売り場の販売員に対してもメーカー商品に関する突っ込んだ情報提供を行い、セールスに関するOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)も提供ができるようになります。結果としてメーカー商品の売り上げ向上と、小売り各店舗の売り上げ向上というWin-Winの関係を狙えるようになります。
ラウンダーは基本的に住居から50km圏内に立地する小売店を漏れなくカバーし巡回します。フットワークが軽く、店舗の迷惑になるような土日・夕方以降を避けてスピーディーに、売り場を戦略通り完成させます。 複数のラウンダーを活用すれば、全国展開するチェーン各店舗に短時間で一斉にキャンペーンの売り場を立ち上げ、スピーディーに撤退もできるようになります。ポップアップストアのような臨時の出店にも、ラウンダーが大いに役立ちます。
例えばメーカーの営業担当者が東京に在籍しながら、全国チェーンの店舗で一斉にキャンペーンを展開しようとしても物理的に無理があります。出張で全国を飛び回るだけでも、移動コストが膨大になりますし、営業担当者の業務負担が限界を超えてしまいます。全国各地で地場の人材として活動するラウンダーを活用すれば、十分な頭数と労働力をベースにして、全国規模の販促展開もスピーディーに仕掛けられます。
全国各地の地場に精通した優秀なラウンダーを豊富に抱える業者に外注をすれば、業者所属のラウンダーを居住地から全国津々浦々の小売店に巡回させてもらえます。販売網が拡大できる上に、今まで自社の本部営業担当者が年に数回しか訪問できていなかった地方の小売店で商品の露出度が変わり、ブランド認知度が高まって、売り上げを一気に向上させられる可能性が出てきます。
ラウンダーに全国各地のチェーン店を定期巡回させ、最新の情報を共有してもらえば、自社の本部営業担当者をわざわざ現地に派遣しなくても、自社が展開しているエリアにおいて、全店の売り場状況が把握できるようになります。本部営業担当者の出張コストを削減できる上に、販促物の制作・発送コストも削減可能です。余分な店舗巡回業務をカットできるために、本部営業担当者は小売りのバイヤーとの本部商談などより生産性の高い業務に労力を割けるようになります。
ラウンダーを活用するメリットは、上述した9つの利点に集約されます。ただ、ラウンダーを内製化するのではなく外注する場合は、効果を最大化にして狙った成果を獲得するためにも、業者を比較検討し、慎重に選定する必要があります。
ラウンダーは定義が委託業者によって若干異なりますが、全国の小売店を巡回し、メーカーと小売り本部による決定事項を売り場で手足を動かし具現化する人材ソースになります。ただ、ラウンダーを最大限に活用して、最高の成果を得るためには、現場ラウンダーとメーカーの本部営業担当者を橋渡しする、スーパーバイザー(SV)の存在も不可欠です。スーパーバイザーは確かなデータ収集能力をベースに、運営管理や活動内容、人材評価、巡回店舗の見直しなど全てを統括する司令塔の役になります。 ラウンダーを内製化するのではなく業者に外注する場合、店頭巡回を担当するラウンダーの質はもちろん、現場の情勢を判断した上での企画提案や、ゴールデンゾーンなど優位置への商品陳列の交渉をサポート・代行をしてくれる優秀なスーパーバイザーの有無にも注目し、業者を選定してください。
優秀なラウンダーは大前提として、本部決定事項を売り場で実現する実行力とスキルが必要になります。その上で地場の情報に精通し、消費者の視点を持ち、定例会議などを通して商品、販促アイテム、企画内容に改善点や肌感覚の評価をフィードバックしてくれる、大局が見える人材が理想となります。業者に外注する場合、まずは優秀なラウンダーとは何なのかを理解するところから始めたいです。