タックスフリーとデューティーフリーの違いとは

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タックスフリーとデューティーフリーの違い

近年、量販店などでは、海外からのお客さん向けの案内文や表示を出すことが多くなっています。そんなシーンでよく目にするのが、「DUTY FREE」や、「TAX FREE」といった文言です。この「タックスフリー」と「デューティーフリー」、どう違うかご存知でしょうか。

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タックスフリーとは?

消費税の免税

日本国内で品物を買ったり、サービスを受け取ったりしたときは、一部の例外を除いて、必ず「消費税」を支払わなければいけません。

しかし、「タックスフリー」の免税店では、「非居住者(日本国内に住んでいない、海外からの旅行者等)」が、輸出を目的として(お土産などとして海外に持ち帰る)、通常生活の用に供される物品(仕事に使う品物等ではない日用品など)に限り、消費税を免除できるのです。

「タックス」は、もともと税金全般を示す言葉ですが、一般的にお店で使われる「タックスフリー」は、消費税について免税される免税店を指します。また、タックスフリーの免税店として営業するためには、あらかじめ国税庁に届け出を出さなければいけません。

タックスフリーの事例

1カートン4,300円のたばこを購入した場合を考えてみましょう。このたばこの金額には、たばこ税のほかに消費税も含まれています。タックスフリーのお店で購入すると、このうち「消費税」について支払わなくて済むのです。

市中免税店

「市中免税店」は、非居住者がタックス(消費税)フリーで買い物をするための届け出が出されている店舗のうち、「市中」にあるお店を指す言葉です。

市中とは、ごく一般的な街中という意味の言葉ですから、量販店やドラッグストア、土産物店などが該当します。このような市中免税店で買い物をした免税商品は、あくまでも「輸出のため」に買ったものでなければいけません。そのため、日本国内での開封ができないように密閉されることになります。

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デューティーフリーとは?

4種類の税金の免除

海外旅行者が負担する可能性のある税金は、消費税だけではありません。たとえば、温泉に入れば「入湯税」がかかりますし、お酒を飲めば「酒税」がかかります。

タックスフリーの店舗で免税になるのは、このうち消費税だけです。しかし、デューティーフリーの店であれば、消費税に加えて、「酒税」「たばこ税」「関税」の4つの税金がすべてかからなくなります。「海外ではブランドバッグなどが安く買える」と言われるのは、このようなデューティーフリーのショップを利用して関税をかからなくできるからなのです。

「デューティー」は「関税」という意味ですが、「デューティーフリーショップ」という使い方をした場合は、「酒税、たばこ税、消費税」を含む4つの税金についてかからないお店を指すことになります。

デューティーフリーの事例

デューティーフリーショップでは、タックスフリーショップ以上に免税額が大きくなります。1カートン4,300円のたばこも、デューティーフリーショップであれば、消費税とたばこ税の両方が免税されるため、2,800円で購入可能です。

空港型免税店

「海外旅行をしたとき、空港は税金が安いからブランド品や化粧品を買うのに適している」というのは、多くの方が持っている共通認識ではないでしょうか。しかし、実はこれは正確な認識ではありません。

正確には、「空港で出国手続きをした後の、空港内出国エリアはデューティーフリーで買い物ができる」となります。空港で出国手続きをすれば、そこは日本ではありません。そのため、消費税やたばこ税、酒税、関税などがかからなくなるのです。

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空港型市中免税店とは?

空港型免税店のほかに、「空港型市中免税店」というものもあります。この空港型市中免税店は、空港型免税店のデメリットを解決してくれるものです。

空港型免税店では、税金がかからず安く買い物ができる反面、買い物ができるのが出国手続き後の空港だけであるという難点があります。空港型市中免税店とは、パスポートと1か月前から前日までの日付の国際線搭乗券を提示することでデューティーフリーになる店舗のことです。買った品物はその場で受け取るのではなく、出国手続き後に受け取ることになります。これは、日本国内で転売されるといったトラブルを防ぐための予防策です。

また、空港型免税店は、日本に観光に来た外国人だけでなく、海外へ旅立つ予定の日本人も利用することができます。

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沖縄型特定免税店とは?

「沖縄型特定免税店」も、デューティーフリーで買い物ができるお店です。ただし、この場合の「デューティーフリー」は、本来の「関税がかからない」という意味のデューティーフリーであり、消費税やたばこ税、酒税などは通常通りかかりますから注意しましょう。

沖縄型特定免税店では、海外からの輸入商品などに関税がかからないため、割安に買い物をすることができます。利用できるのは外国人にかかわらず、「沖縄以外の日本の各都道府県に出かける人」です。沖縄県からほかの都道府県への航空券を提示することで、デューティーフリーで買い物をすることができます。ただし、その場で商品を受け取ることはできません。空港型市中免税店と同じように空港で行われることになりますから、覚えておきましょう。

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一般企業の免税店=タックスフリー

免税店には、タックスフリーとデューティーフリーの2種類があります。しかし、一般的に「免税店」といった場合は、タックスフリーのお店を指す場合が多いと言えるでしょう。デューティーフリーは、あくまでも一部の限られた店舗のみを指す言葉なのです。

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