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店頭販促
用品
店頭販促に使われる用品は、ある程度限られています。具体的には什器、音声POP、デジタルサイネージ(電子POP)など。今回は各販促用品の特徴や理想的な使用タイミングなどを大まかにまとめました。
そもそも什器とは
<日常使用の家具・道具>(『広辞苑』(岩波書店)より引用)
といった意味がありますが、店頭販促の分野では商品やカタログを陳列、設置、掲示する器具・器材、用具といった意味で使われています。具体的には棚、かご、スタンド、台、箱など、小売店の売り場で日常的に活用されている陳列棚になります。
販促什器は棚、かご、スタンド、台、箱などさまざまな種類があり、それぞれで特徴が異なります。棚は季節に関係なく、定番商品を陳列する際に重宝しますし、かごは見切り品やセール品を、定番の商品から切り離して陳列したいときなどに適しています。どの什器を選び、どの什器をどのよう扱うかが売り上げに直結すると言っても過言ではありません。
棚、かご、スタンド、台、箱によって効果や役割が違いますが、基本的にはどの陳列什器も、小売店の売り場づくりに欠かせない販促用具になります。例えばスタンドは視認性が高く、気軽に手に取れる利便性の高い什器ですので、カタログや会員サービス情報の配布資料提示にも役立ちます。
音声POPとは、専用の再生機でBGMや商品案内を流し、買い回り中の消費者の注意、関心を促す販促ツールになります。多数の商品であふれる売り場の中で、特定の商品を際立たせ、ダイレクトにプッシュセールスできるようになります。現代ではリピート機能、人感センサーなど、各種の機能が搭載され、効果的な販促活動を行っています。
音声を聞いた消費者の関心が高まり、商品との接触頻度が増え、購買意欲がかき立てられるといった成果が確認されています。購入まで消費者を動かせなかったとしても、売り場で音声POPを聞いた消費者の潜在意識に商品名やブランドイメージがすり込まれていくといった効果も期待できます。
スタッフを店頭に立たせる人材ソースがないような売り場で、音声POPはスタッフの代わりに顧客の注意関心を促し、商品説明を代行してくれます。近年の音声POPは人感センサー付きのタイプも多く、買い回り客が近づいたときだけ作動するような機種も出ています。プラスしてアイキャッチでLEDライトを点滅させるなどすれば、スタッフの手が行き届かないような陳列コーナーで商品の販促を効果的に行える可能性が高まります。
電子POPとは商品に関する映像を売り場で流すための販促用小型液晶ディスプレイを意味する場合が多いです。似たような言葉として使われるデジタルサイネージは、商品に関する映像を流す大型モニターを意味する場合が多いです。DVDしか再生できないDVDプレイヤーよりも対応メディアが豊富で、連続再生時間も長く、再生コンテンツのダウンロード配信、タッチパネル搭載モデルなど、新テクノロジーを搭載した機種が次々と市場に投入されています。
消費者の注意関心を引き、足を止めさせ、滞在時間を増価させる上に、衝動買いを誘発させる効果まで期待できます。映像と音声の注意喚起力は絶大で、映像と音声による商品理解のサポート力も突出しています。
映像と音声による注意喚起を行いたいとき、商品滞在時間を増加させたいとき、商品理解を深めてもらいたいとき、衝動買いを誘発したいとき、テレビコマーシャルとの連携による商品ブランディングを行いたいときなど、さまざまな販促の場面で活用が考えられます。
効果を出すためにはお客さんに響くPOP広告を作ることが大切。最適なPOP広告を考えるためのポイントやコツ、注意したいことについてご紹介します。
香りPOPとはその名の通り、香りを使ってプロモーションを行うツールです。嗅覚を刺激して行動を促すことができ、近年取り入れている店舗や企業も増えています。商品や空間に合った香りを使用することで販売促進が期待できるほか、ブランドイメージ醸成にもつながるでしょう。食品を使わない店舗でも売上が向上したという結果があるように、多くのシーンで利用できる可能性があります。
香りPOPに期待できる最大の効果に、購買促進があります。たとえばスーパーに訪れるお客さんの100%が献立を決めているわけではなく、「お肉料理」「魚料理」などざっくりとだけ考えているケースも少なくありません。こうしたお客さんが香りPOPにより、メニューを決めることがあるのです。また商品の香りを流すことで、衝動買いを誘引させる効果もあります。
商品の売上アップ、衝動買いの誘引などに活用ができます。また、香りPOPを上手に活用することで良い印象を与えることもできるため、ブランドイメージ醸成を考えている場合にもおすすめです。実際に香りPOPは、店舗滞留時間と関係していることが明らかになっています。このほか「バレンタインフェア」「ホワイトデーフェア」といったイベント会場に甘い香りを放出することで、特別感を演出したり気分を高めたりする効果も期待できるでしょう。
ARアプリとは、AR(拡張現実)を利用したアプリのことです。現実ではないものと現実のものとをつなぐ役割を果たすARは昨今、多くのビジネスの現場で利用されています。たとえば、画面上の地図を指先でタッチすると、音声や画面で施設の詳細を説明してくれるサービスもARの一種です。
ARアプリを利用することで来店者を飽きさせずに、楽しみながら買い物をしつつ、製品のPRを見てもらうことができます。また、ショップカードやタグにAR機能を付けて簡単に製品紹介ページへ行けるようにする、飲食店のメニューにAR機能を付けてより詳細な紹介を見られるようにすることも可能です。
ARアプリ技術はさまざまなシーンで活躍するものですが、とりわけ「エンターテイメント的に製品について知ってもらいたい、購買意欲を高めたい」という場合に便利です。最新の技術を導入することで、ゲーム感覚で製品を知ってもらえるでしょう。またARを取り入れることで、より消費者にとってわかりやすく、利便性の高いサービスを提供することも可能。このようにARアプリは、「今よりも高品質のサービスを提供したい」というときに有用です。
パネルにフルカラーで、芸能人やキャラクターなどを印刷する等身大POP。多くは輪郭に沿って切り取られ、「実際にそこに芸能人・キャラクターがいるかのような雰囲気」を演出する技法が取られます。圧倒的な存在感を放ち、ひとつ置くだけで大いに注目を集めることができるでしょう。なお、自社製品や文字などを組み合わせた等身大POPもあります。
等身大POPは、来店者や来場者に対するアピール力の高い販促ツールです。気持ちを高めさせる、また「記念撮影」「一緒に写真を撮る」といった楽しみを提供したい場合に役立つでしょう。人気芸能人やキャラクターの等身大POPを設置することで、足を止めさせる効果が得られるとともに、SNSへの投稿・拡散を促す働きも期待できます。
ショップ入り口に置く「ようこそ」といった文字入りの等身大POPは、来客の好感度アップやショップアピールをしたい場合におすすめです。また、人が多く集まるイベント会場では、等身大POPを設置することで、来場者の興味を呼び起こしたり、自社のブースを目立たせたりすることが可能。そのほか店舗内イベントや各種興行、記念撮影スポットなど、等身大POPを活用できるシーンは多岐にわたります。
フロアPOPは、店頭の床に設置する販促ツールです。以前はシール式のものがほとんどでしたが、移動が簡単なマット式も登場しました。レイアウト場所を自由自在に変えられ、なかなか活用できない床スペースを有効利用できる点がフロアPOPのメリットです。色彩豊かで大きなフロアPOPは、お客様の足を立ち止まらせる効果大です。
店舗内調査では、商品を購入時に、7割以上の消費者が計画的ではない買い物をしている結果が出ています。購入の決め手となるのは、消費者と商品の購買接点、つまり店頭での商品情報が重要なのです。フロアPOPは商品の真下に設置することでお客様の視線を集め、効果的な商品アピールにより売上向上が期待できます。また、サイン的な要素も大きく、確実に売りたい商品へお客様を誘導する役目もあります。
マットタイプのフロアPOPなら、置くだけで簡単に移動できるので、回転の速い商品や季節商品などに最適です。常設の商品よりも、SALE品や新商品など、売りたい商品の下に設置するのがおすすめ。お客様の視界に常に入るのは天井ではなく床なので、フロアPOPの効果は抜群です。また、商業施設だけではなく、企業説明会や商品展示会など、限られたスペースしかない場合でも、床を利用することでアピール力が高くなるでしょう。
スイングPOPは、ゆらゆらと揺れる動きが特徴的なプロモーションツールです。低コストで、どこにでも簡単に取り付けられることがメリット。アイキャッチ効果が高く、商品棚に設置して商品をスポット的にアピールし、レジの横や受付カウンターで、より大勢のお客様に伝えたい情報を効果的にプロモーションできます。
スイングPOPは、少しの風や振動でもゆらゆらと揺れるように作られています。お客様が陳列棚の前を通り過ぎるタイミングでスイングPOPが揺れ、視線を集めることで商品への訴求効果が現れます。また、レジの横や受付カウンターでは、その店舗のキャンペーンやお買い得情報を視覚的にアピールすることが可能です。
スイングPOPは、売上をアップさせたい商品や確実に売りたい商品を目立たせたいときに有効的です。「当店のおすすめ商品!」や「話題の新商品!」など、他の常設商品と差別化し、お客様に直接アピールします。また、ポスター広告のインパクトが薄かったり、訴求効果が不足していたりする場合、スイングPOPを組み合わせることで、ポスターの存在をいっそう目立たせることも可能です。
エアーPOPとは、エアーを入れて膨らませることで立体感が出るのが特徴です。形は柱のような形状から、キャラクターをモチーフにしたものなどさまざまあり、また掲示したいときだけ膨らませて大型化できるため使い勝手も良いです。設置場所は店頭からイベント会場のほか、天井から吊り下げることもできます。その形状のインパクトから、人の目を引き効果的なアピールを行うことができるでしょう。
エアーPOPの立体感は見る人にインパクトを与え、商品やサービスを周知させる効果があります。このような特徴から、競合他社のPOPとの差別化も図ることができ、より興味を持ってもらえるきっかけにもなります。またパンチングPOPのように、倒すと起き上がるタイプは直接触れて楽しむこともでき、POPをより身近に感じてもらえるでしょう。さらに、エアーを抜けばコンパクトに片付くため、その都度掲示したいPOPに差し替えることも簡単です。
店頭に設置することで、扱っている商品やサービス、キャンペーン内容などを、道行く人にしっかりとアピールし周知させることが可能になります。展示会やイベント会場などの広い場所でも目につきやすく、競合他社のPOPと差別化を図ることもできるでしょう。さらに、商品陳列棚の付近に吊り下げて設置すれば、より商品を印象づけるきっかけにもなります。
スタンドPOPは、テーブルやカウンター、商品棚など、小さなスペースでも効率的に商品やサービスのアピールができます。コンパクトなだけではなく、形状やデザインは自由自在でより訴求力の高いPOPを作ることができます。目を引くデザインや色合いを使用すれば、離れた場所からでも興味を引き、売場に華を添えることにもなるでしょう。さらに素材は紙や発泡パネルなど安価なもので制作できるため、コストダウンにもつながります。
スタンドPOPは、その場に留まっているお客様に目にしてもらえるものですから、商品やサービスをしっかりとアピールできる点がメリットです。そのため、商品の横に設置した際、購入意欲もかきたてやすいです。また、じっくり見てもらえることから商品の特徴を的確に伝えることが可能になります。三角形や四角形の多面体にすれば情報量が増え、より訴求力も高まります。
スタンドPOPはコンパクトに置ける卓上のPOPですから、大きなPOPを設置するスペースがない場合におすすめです。特に、テーブルやカウンターなどがある飲食店や、商品やサービスについての相談ブースを設けている店舗などで効果を発揮します。また、レジ横や商品棚に設置しても良いでしょう。
ミニのぼりは、屋外などに設置する大きなのぼりをコンパクトにした形状の販促ツールです。サイズが小さいため、レジ横や商品棚、テーブルなどさまざまな場所に設置でき、その場を通る人や留まる人の目を引きます。タイプによって設置方法にもいくつかあるため、あまり設置場所を選ばないことも特徴です。また、通常の大きなのぼりのミニチュア版であることで、可愛らしさも演出できます。
通常のぼりはスポーツやイベント会場で設置されることも多く、その存在だけで活気を感じられるツールです。そのミニチュア版であるミニのぼりは、小さくとも設置場所に活気をもたらしスタッフの士気を高めてくれます。また、小さなサイズであるため可愛らしく、設置場所に華を添えることにもつながるでしょう。さらに、普段近くで見ることのない形状や小さな文字などが興味を引きやすく、近づいて確認したいといった心理効果も巧みに利用できるツールでもあります。
ミニのぼりは狭いスペースでも設置できるため、飲食店などのテーブルやカウンター、小売店の商品棚などに設置すると効果的です。またレジ横に設置すれば、支払いの際に誰でも目にすることができるでしょう。さらに、店内をイベントなどで活気づけたいとき、季節ごとの商品やサービスをアピールしたいときにも、ミニのぼりの訴求力が役に立ってくれます。
上から吊り下げることができるタペストリーは、情報を盛り込む面が大きいことから、効果的に商品やサービスをアピールできるツールです。特徴は上下にポールが通されていることであり、アピール面が縮むことなく的確にお客様に情報を伝えることができます。また、基本的には素材に織物を使用しているため、紙のポスターなどと比べて劣化や破損などのリスクも少ないです。デザインに関しても自由度が高いため、形状や図柄、色合いなどに工夫をすれば個性的な販促ツールになるでしょう。
タペストリーがもたらす効果として、売場に吊り下げることで商品のアピールや誘導が効果的に行えることがあります。タペストリーは、存在感を演出できるツールであることから、店舗やイベントブースに吊り下げると遠目でも興味を引くことが可能です。また、デザインに工夫をすることでよりお客様の目に留まりやすくなり、商品やサービスの訴求力はさらにアップするでしょう。
タペストリーは壁に設置すれば邪魔にならず、シンプルな壁を華やかに飾るツールとなります。壁だけではなく、天井から吊り下げることで遠目からでも視認性が高まるでしょう。また、ガラス窓に設置すればお客様の目に留まる確率も高くなりますし、日よけの役割も果たします。タペストリーは、工夫次第でさまざまな使い方ができるツールです。
POPパネルは、POPの中でもより丈夫で多種多様なサイズ展開があります。たとえば、卓上に立てるタイプなら場所も取りませんし、店頭に掲示するタイプなら大々的なアピールが可能です。タイプとしては立てかけるものや吊り下げるものなどがあり、設置場所によって選ぶことができます。また、パネルの素材には発泡スチロールなどの種類があります。
POPパネルは、ある程度の大きさがあっても設置方法によっては、場所を取らずに商品やサービスを訴求できます。また視認性が良いことや自由にデザインできることから、商品写真やモデルの写真を大きく掲示することで効果的なアピールが可能です。カッティングして形状を変えることもできるため、目を引くPOPに仕上げることもできるでしょう。
POPパネルの有効な活用場所は、小さなサイズなら屋内の商品陳列棚やレジ横、テーブルなどが適しています。大きなサイズなら、店頭での掲示や売場での吊り下げなどもできるでしょう。デザインの印刷もしやすく、商品やサービスのアピールの際には、目を引くロゴや色合いを使うと効果的です。商品の形にカッティングすれば、商品への興味を持ってもらいやすくなり、購買意欲の向上にもつながります。また、素材が軽量なので季節ごとの商品アピールの際に差し替えることも簡単です。