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POPを使った売り場づくり
POP広告をうまく利用することで、店内の雰囲気や印象をコントロールすることができます。しかし、ただPOPを貼りさえすればいいということではありません。いくらPOP広告がたくさん貼られていたとしても、店内がシックな印象なのに、POPがファンシーでは、ちぐはぐな印象になってしまいます。POP広告の上手な利用方法を知っておきましょう。
店頭POPの役割は、製品やサービスの宣伝に限ったことではありません。お店に入った瞬間、店に貼られた店頭POPが目に入って好感を抱いたり、お店の様子を思い返したときにPOPが頭に浮かんだりすることもあるでしょう。このようなことは、店頭POPがお店の雰囲気づくりやレイアウトづくりに大きな役割を果たしているために起こります。
店頭POPのデザインは、製品のサービスをよりはっきりわかりやすく伝えられるように作るべきです。しかし、それが店舗デザインとマッチしていないようではいけません。そのようなPOPは、お店全体の印象をちぐはぐなものにして、「居心地が悪い」と感じさせてしまう原因にもなるからです。店頭POPは、お店全体のレイアウトやコンセプトを意識したうえで作りましょう。
商品POPにこだわることや、魅力的なPOPを作ろうと意識することは売り上げアップのために大切です。しかし、それにこだわりすぎると、商品やお客さんを置き去りにしたPOPや店内レイアウトを作ってしまう原因になります。
たとえば、商品POPに長すぎる説明を書いてしまったり、商品が見えなくなるほどたくさんのPOPを貼ってしまったりすることは、商品を引き立てるという意味では逆効果です。POPをうまく機能させるためには、あくまでも商品が主役であるということを忘れてはいけません。
商品に目を留めてもらうためには、イラストや写真などを使ったPOPが効果的です。商品の性質や売り場のテイスト、配置などを総合的に考えて、商品をもっとも輝かせることのできるPOPを目指しましょう。
売り場に置かれたものがいくら魅力的でも、商品の値段がわからなければ、レジに持って行くのをためらってしまうでしょう。多くの場合、お客さんは商品を買う際に「品物と対価」を比較することで購入するかどうかを決めます。つまり、プライスカードは、お客さんが商品購入を検討するための大切な材料となるのです。
プライスカードの主目的は、「どの商品がいくらなのか」を伝えることですから、それ以外の情報を盛り込みすぎるのはよくありません。最低でも、半分以上は商品名と価格にスペースを取るようにしてください。
商品の魅力を引き出し、お客さんにアピールできるようなPOPを作るコツは、「お客さんの感情を引き出す」ことです。
「おいしい大根」を売り出したいときに、「おいしい!」と文字でPOPを書いたとしても、遠くから見るお客さんは何が書いてあるのかわかりません。さらに、近くでそれを見た方に「魅力的だな」と自発的に感じてもらうことはできないでしょう。こういうときは、感情を内側から自然に呼び起こすような、大根が主役の料理イラストや写真を添えてみてください。
売り場の中でも、特にアピールしたい商品については、サイズの大きい「売るための特別なPOP」をつけるのがおすすめです。商品名や価格のほか、キャッチコピーと商品の説明、イラストや写真なども取り入れてわかりやすくまとめましょう。
特に大切なのが、商品の魅力を一言で伝えるキャッチコピーです。ある程度離れた場所からでも見えるように、大きな文字で簡潔に魅了を伝えるようにしてください。
POPを作るときに、作家や詩人のような美しい文章を意識する必要はありません。もちろん、そのようなPOPをウリにすることもできるでしょう。しかし、「文章が苦手」という方は、無理に気の利いた文章を書く必要はありません。「お客さんにその商品をアピールするときに何を伝えるか」を考えて、それを素直に書き記せばいいのです。
接客をするときに「面倒だな」と思っているようでは、商品やお店の魅力をお客さんにしっかり伝えることはできないでしょう。商品POPも同様で、ネガティブなイメージや苦手意識を抱いたまま作られたPOPでは、お客さんの心を掴むことはできません。
POPを作るときに大切なのは、「この商品の魅力をお客さんに教えたい!」という前向きな希望です。商品に対する情熱があるからこそ、商品の補足説明をするPOPも情熱的なものに仕上がるといえるでしょう。
同じように、「本当にこれでいいのか?」と不安や疑問を感じながら作るPOPや売り場には、どことなくネガティブな印象がただよってしまいます。前向きに、意欲を持って取り組むことが大切です。