ミステリーショッパーを利用する目的と成果を紹介

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ミステリー
ショッパー

ミステリーショッパーを利用する
目的と成果を紹介

自社が掲げた目標を達成するための有効なツールとして活用されるミステリーショッパー。名前からもわかる通り、もとはアメリカから生まれた手法ですが、現在は日本でもミステリーショッパーを導入している企業は多数存在しています。

ただ、ミステリーショッパーの性質上、どんなことをして、どんな成果を期待できるのか知らないという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回はミステリーショッパーの目的や期待できる効果についてわかりやすく説明していきたいと思います。

ミステリーショッパーは覆面調査を行う調査員

顔が分からない人

ミステリーショッパーとは、消費者の目線で特定の業者のサービスを体験・評価し、その結果を依頼主に報告する調査員のことです。元の語源は英語の「Mystery Shopping」で、日本では覆面調査とも呼ばれています。

名前の通り、調査員は派遣先において自らが調査員であることを明かさず、あくまで客の一人としてサービスを享受。その過程や感想をくわしくレポートにまとめ、依頼主に提出するというのが大まかな業務となっています。

この覆面調査を行う調査員のことをミステリーショッパーと言い、企業から依頼を受けたマーケティングリサーチ会社が自社スタッフや一般公募によって集めた人材をミステリーショッパーとして派遣するのが常です。

ミステリーショッパーの歴史

初めてミステリーショッパーが導入されたのは1940年代のことで、アメリカのとある企業が自社の従業員を調査する方法として取り入れたのが始まりと言われています。

かつては録音または録画を行いつつ、従業員に対してアンケート調査を実施するという手法がとられていましたが、現在はネットを通じてモニターを募り、ミステリーショッパーとして活動してもらう方法が一般的となっています。

日本ではアメリカほどの長い歴史はありませんが、ミステリーショッパーが一定の成果を挙げる存在であることが認識されつつあり、2012年には一般社団法人覆面調査士認定機構が「覆面調査士」と呼ばれる民間の認定資格を創設するに至っています。

ミステリーショッパーの3つの目的

企業はなぜミステリーショッパーを導入するのでしょうか?その目的やメリットは大きく分けて3つあります。

問題点や課題を発見するため1

サービスを提供する側とされる側では立場が大きく異なるため、「する側」の理想としているものが必ずしも「される側」のそれと一致するとは限りません。

灯台下暗しということわざの通り、自社が抱えている問題点や課題はサービスを受ける側の目線でないと浮き彫りにならないこともあります。

ミステリーショッパーを導入すれば、中立の立場で冷静にサービス内容をチェックして判定を下すことができますので、自社だけでは気づくことができない問題点や課題の発見につながります。

消費客の生の声を聞くため2

初期のミステリーショッピングは従業員に対して面と向かってアンケートを行うという手法がとられていました。しかしこの方法では従業員が身構えてしまい、本音とは別の建前ばかりに終始してしまうおそれがあります。

一方、消費者に対しては店舗にアンケート用紙を設置するという手もありますが、簡易的なものが多い上、記入そのものが面倒で有効回答がなかなか得られないというデメリットがあります。

その点、ミステリーショッパーは自ら志願して調査に当たりますし、依頼主が指定した項目に則ってリサーチしてくれますので、内容は濃厚。一方でモニターといえども一消費者であることに変わりはありませんので、忌憚のない意見を得ることができます。

社内のモチベーションをアップさせるため3

消費者が心から満足できるサービスを提供するためには、まず自社の環境を改善することが必要不可欠です。やる気がない、覇気が感じられないスタッフでは接客態度も悪くなってしまい、必然的に顧客満足度も低下してしまいます。

ミステリーショッパーの調査結果はまず社内のトップの手に渡りますが、そこから各支店などにフィードバックが行われると、消費者の生の声が直接スタッフの耳に届くようになります。

もちろん厳しい声もあるでしょうが、店の評価がアップすれば称賛の声がどんどん増えるようになり、スタッフのモチベーションも自然と上がってきます。

他の支店と評価を比較すれば競争意識も芽生え、互いに切磋琢磨して成長していけますので一石二鳥と言えるでしょう。

ミステリーショッパーの導入で自社の改革も

満足しているビジネスマン

では実際にミステリーショッパーを導入するとどんな効果があるのかと言うと、まず第一に顧客満足度向上による集客率アップやリピーターの増加が期待できます。

問題点を洗い出し、それを解消することで消費者に「また来たい」と思わせるような魅力的なサービスを提供できるようになるわけです。

現在売上げが伸び悩んでいる店舗や、なかなか業績が上がらないことに四苦八苦している企業にとってはまたとない効果と言えるでしょう。

一方、消費者に関することだけでなく、自社の改革にも役立てられるところがポイント。自分が属する組織がどのように評価されているのかを把握することは意識改革につながりやすく、やる気やモチベーションを引き出す糧にもなります。

もしも従業員に覇気がない、離職率が高いなどの悩みを抱えているのなら、ミステリーショッパーを取り入れてみるのもひとつの方法です。

ミステリーショッパーの依頼からレポート受理まで

ミステリーショッパーを利用したい場合は、ミステリーショッピング調査を行っているマーケティングリサーチ会社に業務を依頼する必要があります。

依頼からレポート受理までの流れは業者によって異なりますが、ここでは一般的なパターンを紹介します。

ミステリーショッパーの依頼1

ミステリーショッパーを行っているマーケティング会社に業務を依頼します。リサーチ会社はいろいろありますので、予算やサービスに合わせて選ぶようにしましょう。

打ち合わせ2

ミステリーショッパーを利用する目的は依頼主によって異なります。そのため、実際に調査を行う前に業者と依頼主との間で綿密な打ち合わせが行われます。

打ち合わせでは提供しているサービスや現場の課題、問題点などを細かくヒアリングし、どんな調査・設問を設計すべきか模索していきます。打ち合わせの結果、依頼主専用の調査票が完成します。

調査員の募集3

できあがった調査票をもとに、業者が調査員を募集します。一般公募ですが、あらかじめ登録した会員のみを対象としますので素性は確かで安心できます。

調査員の選定4

募集してきた調査員候補の中から、年齢や性別、居住エリアなどの条件をもとに調査員の選定を行います。

ミステリーショッパー開始5

選ばれた調査員が現地で実際にサービスを受け、その調査内容をレポートにまとめます。ほとんどの場合、24時間以内のレポート報告が義務づけられているため、記憶が風化してしまうことはありません。

調査レポートの納品6

提出された調査レポートは業者側が細かくチェックしてから納品します。課題や問題点がわかりにくかったり、知りたいことが記載されていなかった場合は調査員にヒアリングして再入力してもらう仕組みになっています。

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