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サンプリング
サンプリングと言えば、街頭でポケットティッシュが配られる光景などを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし企業は思考を凝らし、多彩なアイディアでサンプリングを実施しています。SNSやITテクノロジーを活用したり、コンテストのようなイベント企画とコラボレーションさせたりと、話題性のある手法が満載です。
スタッフによる手配りだけではなく、さまざまなツールを駆使したサンプリングのアイディアをご紹介します。
O2Oサンプリングとは、商品購入後にポイントを付与し、キャッシュバックする手法です。サンプリング個数やポイント付与数は自由に設定できる点がメリットで、商品PRとトライアルの促進につなげることができます。この事例では、クイズに正解した応募者から抽選で1,000人に「レシートアップロード権」が当たるというキャンペーンを実施しました。鍋焼きうどんを購入したレシートをアップロードすることで、ポイントが付与される仕組みです。
商品のプロモーションとして、新商品の発売日前後の週末に、アウトソーシングによるサンプリングを行いました。配布場所は商業施設や駅前など100ヶ所。ターゲットとなる20~30代の女性が多く集まる場所です。アウトソーシングサービスを手がける会社には数多くの人材が登録されているため、毎週末のサンプリングスタッフの確保と業務指示まで、一貫した管理が可能となりました。
6つの主要駅構内で、朝の通勤時間帯にミネラルウォーターを配布した事例です。実施回数は10回、配布数は約4,000万本。企画・準備・配布・報告までに携わったスタッフは総勢80人にのぼります。通勤時間帯であることから、商品を受け取ると足早に立ち去る人が多かったのですが、なかには商品の詳細を質問する人もいました。配布スタッフは事前に商品知識を覚えておくよう指示を受けていたため、レベルの高いPRとなりました。
ティッシュやうちわのような定番のサンプリング商材は、受け取ってもらいないこともあります。そこでオフィス街のOLをターゲットにしたサンプリングに、趣向を凝らしました。ありきたりではないノベルティグッズとして歯ブラシを配布したところ評判が良く、わざわざ受け取りに来たOLさんもいるほど。ランチタイム後に使用する歯ブラシは、社内のデスクに入れておきたい必須グッズです。重宝すると喜ぶ方が多数でした。
大学生が携帯電話を買い替えるタイミングを分析し、「いつ」「どこで」接触できるかを徹底リサーチしました。集中的な配布を実施して、最大限の効果を生み出した短期決戦型のサンプリング事例です。調査結果によると、大学生の携帯電話の機種変更が多い時期は夏休み直前。そのタイミングに合わせ、各大学の試験日を調べて、最寄駅などで一斉にサンプリングを実施しました。配布したうちわからキャンペーン特設サイトに誘導し、買取件数を伸ばしたケースです。
SNSを利用した、発売前のノンアルコールビールのサンプリング事例です。大手飲料メーカーの公式Facebookで、350ml缶が無料で2本もらえるサンプリング参加者を募ったところ、応募者は約280万人。ブランド好感度と購買意欲の向上に成功しました。公式Facebookは商品紹介のほかに、季節のレシピなどお役立ち情報も掲載されコンテンツも充実。利用者が楽しめる工夫があります。
健康意識が高いターゲットとして、出産を控えている妊婦さんに直接アプローチした事例です。産科に来院した妊婦さんに、医療従事者から商品サンプル、広告、アンケート用紙を配布しました。医療従事者から直接声をかけられ渡されることで、商品について深い理解と安心感が生まれます。これによりユーザーへの転換率と継続率が高いサンプリングとなりました。
特定のDVD(映画)をレンタルした人に、ガムのサンプルを2つ配布した事例です。プロモーション中、DVDパッケージには「口臭のせいかも」というメッセージが書かれたステッカーが貼られています。選定された映画は、どれも主人公が孤独な人生を送っているという設定。口臭とは関連性がありませんが「ガムを噛んで口臭がなくなれば、孤独から抜け出せるかも」というメッセージが込められているようです。
ツイッターを利用した新発売のドリンクサンプリングキャンペーン。消費者が自動販売機の前で飲料メーカー宛てにツイートすると、新発売のドリンクが1本出てくるというユニークな仕組みです。自動販売機の電子パネルに、「ハッシュタグをつけてツイートすると1本無料」と表示されています。飲料メーカー宛てのツイートなので情報拡散は期待できませんが、携帯電話とSNSの普及で可能となった手法です。
大人向けデザートのプロモーションとして、年齢識別機能があるサンプリングマシンを導入した事例です。マシンのタッチパネルの「成人していますか?」という質問に「YES」と答えると、カメラによる年齢識別が始まります。「大人」と判断されると商品サンプルが出てきますが、「子ども」と判断された場合はアラームが鳴ってしまいます。ゲーム感覚で楽しめるなど、話題性の高いプロモーションとなりました。
全国の主要12都市、100店舗を展開しているコーヒーショップが行ったサンプリング事例です。コーヒーを注文した顧客に、試食用チョコレートとチョコレートに関するリーフレットを添えて、カフェスタッフが直接手渡します。近年人気のおしゃれな本格カフェで行ったサンプリングは、商品に対するイメージアップと特別感を与えるキャンペーンとなりました。
商品の認知拡大のため、大学のスポーツサークルやスポーツ団体に狙いを定め、所属している大学生に炭酸飲料のサンプリングを行いました。商品のPRだけではなく、連動したスポーツコンテストへの参加を促進する目的も兼ねています。スポーツ団体にターゲットを絞ったことで、商品認知とコンテスト参加への誘導の両方が実現しました。
従来のサンプリングはハガキなどによる募集がほとんどでしたが、インターネットの普及に伴い、現在ではオンラインでの募集が中心となっています。オンラインになったことで、市場ニーズを1.5倍に拡大させることに成功しました。また広告元やアンケート回答から、ユーザー分析や市場ニーズの把握、商品の改善点など、さまざまなデータをマーケティングに有効活用することが可能です。
鉄道駅構内のコンビニに設置されているデジタルサイネージ(電子表示板)、電車内の吊り広告、ツイッターでキャンペーンを告知。商品を認知した顧客がメーカー公式ツイッターのフォロワーとなり、リツイートすることでキャンペーンに参加できます。1万名の当選者には当選チケットをダウンロードできるお知らせがスマートフォンなどに届き、駅構内のコンビニで画面を表示させると缶コーヒーがもらえる仕組みです。利用者の多い駅を活用した、商品認知からサンプリングまで一気通貫の施策と言えます。