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POP広告
POP広告は、お店を訪れたお客さんが商品を手にする最初のきっかけを作るものです。ラウンダーがPOP広告を作る際、単なる商品説明に終始するのでは、うまく広告として機能しない恐れがあります。POP広告がうまくいかない理由ややってしまいがちな失敗事例についてまとめましたので、POP作成の参考にしてみてください。
お客さんがPOP広告を見るとき、一体何を求めているのでしょうか。それは、商品についてのより深い情報や、思わず買いたくなるような「ひと押し」です。お客さんの視点を忘れて独りよがりなPOPを作ると、失敗につながってしまいます。商品購入を迷っているときに、検討材料のひとつとしてプラス要素を加えられるような広告を目指しましょう。
商品についての情報が、原材料から生産地、工場の管理体制まで、びっしりと書き込まれたPOPは、確かに情報量という意味では優れていますが、POP広告としては失敗作だと言わざるをえません。これは、情報量が多すぎてお客さんの心が離れてしまうため。主張したいアピールポイントをわかりやすく、目を引くデザインで表現することを意識しましょう。POP広告には、お店を歩いているお客さんがひと目で内容を理解して興味を示せるわかりやすさも大切なのです。
「国産牛肉」のPOP広告に、「国産!」「ビーフ!」といったPOPをつけても、有益な情報にはなりません。このようなPOP広告では、販促効果を上げることは難しいでしょう。反対に、直近のテレビで取り上げられた牛肉の効果などをPOP広告にすると、テレビを見た人が足を止めやすくなると考えられます。また、イベントや季節行事を絡めたり、おいしく食べるための小技など、「実践したい」「食べたい」と思わせる話題を使ったりするのも効果的です。
シーンと静まり返った八百屋と、元気よく今日のおすすめや安売りをアピールしている八百屋では、後者に好感を抱く人が多いでしょう。POP広告でも、これと同じ効果を演出することができます。ただ商品が陳列されているだけだと、どことなく突き放された印象になりますが、POPが並んだ店内は、明るく賑やかで、親しみやすい印象を与えることができるのです。POPを使って、「見て回るのが楽しい」と感じてもらえる店内を目指しましょう。
新商品や、あまり一般に浸透していない商品については、お客さんがあまり多くの知識を持ち合わせていないと考えられます。そういうケースでPOP広告を使うと、「どういう製品で、どんな魅力があるのか」をわかりやすくアピールできるでしょう。商品のパッケージなどに説明が書かれていたとしても、まずは手に取ってもらわなければ、それが目に入ることはありません。だからこそ、POP広告を利用して「こんな素敵なものがありますよ」というアピールをすることが必要なのです。
商品数がひとつやふたつというお店であれば、お客さんはそれについてじっくり見ることができますが、一般的なお店の中には、数多くの商品が並んでいます。それらの中で求めるものを見つけやすくするために役立つのが、POP広告です。さらに、POP広告を出すことで、「あ、これも面白いな」と、新しい商品について興味を持ってもらうこともできるでしょう。「どんなものかもっと知りたい」という気持ちを抱かせる最初のステップになるのが、POP広告の役割なのです。
ちょっと興味を持っているものに対して、「それ、いいよ」という口コミを聞いたことがきっかけで購入を決めた、というのは、多くの方が経験していることでしょう。POP広告も、このような「購入へのきっかけづくり」として利用することができます。買おうか迷っている商品について、詳細を調べたり、パッケージを眺めたりするお客さんは多いもの。そういう方に新たな情報を与えることで、「それなら買ってみよう」と思ってもらえるのです。
POP広告は、お店のために作るものでも、商品のために作るものでもありません。あくまでも、お客さんに興味を持ってもらうために作るものですから、お店が伝えたい情報ではなく、お客さんにとってのプラスになる情報を記すことが大切です。お店目線で作られたPOP広告は、お客さんの心には届かないでしょう。その商品を手に取るのがどんな人なのか考えたうえで、その人にとって有益で興味を引けるPOPを目指しましょう。
商品に目を留めてもらうことがPOP広告の目的ですから、当然、商品をアピールできなければ意味がありません。いくらPOP広告を出したとしても、お客さんの目が届かない高所に貼られたPOPや、小さすぎて目立たないPOP、色が商品や壁の色と近いPOPなどでは、お客さんの目に入らず、期待通りの効果を発揮することはできないでしょう。どんな商品でもパッと目を引けるような、商品に存在感をプラスできるPOPを作ることが大切です。
POP広告を作るときに、丁寧な「ですます調」でずらずらと商品の特徴や魅力を並べ立てても、なかなか隅々まで読んでくれる人はいないでしょう。POP広告には導入文などを付ける必要はありません。短い言葉でわかりやすく、簡潔に魅力を伝えることが大切です。立ち止まって読まなくても、歩きながらふと目にして興味を引けるような、単純明快なPOPが効果的だと言えるでしょう。そのためにも、POP広告は、商品の一番の魅力がどこにあるのかを検討したうえで作るようにしてください。
いくら効果的なPOPを書いたとしても、すべての商品にPOP広告が貼られているような状況では、一つひとつのPOPに目を留めてもらうことはできません。目が散ってしまい、すべてのPOPが目立たないということにもなりかねないのです。このような事態を防ぐためには、POP広告の貼りすぎに注意する必要があります。それと同時に、売り場内におけるPOP広告の配置についても、くっつきすぎることがないよう意識してください。
POP広告は、その商品のアピールポイントや商品情報について書くのが一般的ですが、すでに周知のこととなっている情報をわざわざ書いてもあまり意味がありません。たとえば、「真っ赤なリンゴ」というのは、見ればすぐにわかることですから、わざわざPOP広告にする意味がないでしょう。同様に、パッケージに大きく書いてあることをそのままPOP広告にするというのも、おすすめできません。お客さんに新たな情報を与えることを意識してPOPを作りましょう。
「冷やし中華始めました」という看板をいつまでも貼り続けている飲食店を見かけることがあるでしょう。POP広告において、このような状況は避けなければいけません。「いつの話をしているんだ?」とお客さんに思わせるようでは、購買意欲は下がってしまいます。常にその季節やタイミングに合ったPOP広告を作り、「そうか、それなら今これを買うべきだな」と思わせたり、「季節に合わせたこんな使い方ができるのか」と気づかせたりできる広告を目指しましょう。
POP広告の最終的な目的は、商品をお客さんに買ってもらうことです。しかし、そのためには、まず、何をアピールすることで購買意欲につなげたいのかということを考える必要があるでしょう。「有名ブランドの新商品である」「人気テレビ番組で紹介された」「健康にいい」「季節のイベントに最適」など、それぞれの商品をアピールするための切り口はいろいろとあります。まずは、その中から何を訴えていきたいのかを考えてみてください。
ラウンダーは、その商品の魅力やアピールポイントをたくさん知っているはずです。しかし、そのすべてをPOP広告でお客さんに伝えるのは不可能だと思っておいたほうがいいでしょう。POP広告に盛り込める情報量は限られています。あまりにたくさんのアピールポイントを並べ立てると、主軸がぶれてしまい、魅力があやふやになってしまいかねません。POP広告を作るときは、アピールポイントを絞る必要があるのです。
商品そのものをアピールする場合におすすめなのが、わかりやすくお得感や手軽感などの魅力を押し出していく方法です。「今なら1本増量中!」や「30品目が1食でとれる!」など、具体的な数字を使ってアピールしてみましょう。
「海外セレブも愛用!」「今SNSで話題の大ヒット商品」など、商品の付加価値になるような情報をPOP広告に書くことで興味を引くこともできます。メディアで紹介された、著名人が愛用しているといったポイントは顧客の心を掴みやすいのでおすすめです。
文字だけの広告よりも、カラフルな写真やイラストが入った広告のほうが、見る人の視線を惹きつけやすくなります。珍しい食材であれば、どのような料理に向いているのか具体的なレシピとともに料理写真を掲載してみると良いでしょう。また、ピクニックや運動会、お花見などのイベント向きアイテムの場合は、利用シーンの写真やイラストを添えてみてください。自分で写真やイラストを用意するのが難しい場合は、商用可能なフリー画像を利用するのが便利です。
擬音語とは、「サクサク」「もちもち」「ふわふわ」といった、食感や触り心地などを示す言葉です。実際にそのような音がするわけではありませんが、商品の特徴を示すのに便利ですから、使ってみましょう。隠喩は、「天使の触り心地」といった表現のことです。このような表現上のテクニックを上手に使うことで、より魅力をわかりやすく伝えることができます。しかし、失敗するとかえってわかりにくくなるため、無理な使用は控えましょう。
商品には、それぞれ独自のこだわりや売りとなるポイントがあるはずです。しかし、それは必ずしも目に見えるものだとは限りません。「生産地にこだわった」「秘伝のレシピ」など、目に見えないこだわりもたくさんあるでしょう。そういうときは、POPを使ってアピールポイントの説明をしてみてください。また、サービス面についても目には見えませんから、「単品追加OK」「おかわり自由」など、ユーザーのプラスになるようなサービスをアピールするのもおすすめです。
お洒落なフォントやイラストなどを多用したPOP広告は、完成度の高いものになる確率が高いでしょう。しかし、その反面、かえって目が滑ってしまう恐れもあります。一方、手書きのPOP広告は、デザインやレイアウトにこだわらないとただの不愛想な張り紙になってしまいますが、細部にまで気を配って作れば、温かみのある魅力的なものになるはずです。手書きなら短期間で張り替えることになる季節イベントのPOPなども気軽に作れますから、ぜひチャレンジしてみてください。