Effect
ラウンダー
とは?
自社製品を取扱店に卸したあと、なんのフォローもしなければ、だんだんと売り上げが落ちてしまったり、目立たない場所に陳列されてしまったりする場合もあります。そのようなことを起こさないためには、定期的に「ラウンダー」が取扱店をまわって、売り場のフォローをしていく必要があるのです。また、優れたラウンダーを起用することで製品の売り上げを伸ばし、売り場面積を増やすこともできます。
「ラウンダー」とは、自社製品を扱っている小売店やデパート、スーパーなどに出向いて、自社製品の取り扱い状況を確認する人のことです。しかし、ただ確認をしただけで終わっては意味がありません。ラウンダーは、現状を把握した上で、販売店に対してさまざまなアクションをとっていくことになります。具体的にはどのようなことを行うのか、見てみましょう。
ラウンダーは、販売店の売り上げが上がるように、さまざまなサポートを行います。しかし最終的な目的は、あくまでも「自社製品の売り上げを伸ばす」ということです。
つまりラウンダーが販売店に対し行う、「陳列方法の改善」「販促品の配布」「売上状況の確認」などは、すべて自社製品をよりたくさん売ってもらう手段です。また「この会社の製品は売れる」という実績を上げることは、売り場面積や取り扱い製品の増加にもつながるでしょう。限られた売り場面積の中で、ライバル社よりも多くの売り場面積を獲得できれば、それだけ売り上げも伸びやすくなります。
このようにラウンダーの活動は、すべて「自社の利益につなげる」ことに結びついているのです。
ラウンダーの仕事内容を見たときに、「営業と似ている」と感じた方がいるかもしれません。たしかに外部企業や店舗に出向いて、自社の利益のための活動を行うという意味では、営業とラウンダーは似ています。しかし営業とラウンダーとでは、「外部」の範囲や活動内容が異なるのです。
営業はこれまで取り引きのなかった企業に対して、自社製品を取り扱ってもらうための活動を行います。もちろん、既存の顧客に対して、新しい製品の売り込みに行くこともありますが、主に「取り扱いを開始してもらう・顧客になってもらう」というのが営業の役割です。そのため、営業には強いアピール力が必要だと言えるでしょう。
一方のラウンダーは、「既存顧客に対して売り上げを伸ばす」というアクションを行っていきます。ここで大切になるのは、顧客との長期的な信頼関係や、販売実績を上昇させるためのスキルです。ただし、新製品を売り込むという点では、営業に近い活動を行うこともあります。
ラウンダーにはコミュニケーション能力が求められます。店舗担当者と信頼関係が築けるかどうかは、ラウンダーの役割がうまく機能するかにもかかっているでしょう。
そのため、新しく売り込みを行う力よりも、「人と人とのつながりを深めていく」方面に強い人材がラウンダーに適していると考えられます。もちろん、店舗担当者との相性もありますが、多くの方と円滑なコミュニケーションをとれるようなラウンダーを選ぶことで、より効率よく実績を上げられるのです。
ラウンダーは、自社製品の売り上げを伸ばすためのディスプレイ提案なども行います。そのため「センスがない」「色彩感覚が人とずれている」といった人物はあまり適していないでしょう。
自身でポップを作るような機会もあるため、ある程度の芸術センスやカラーコーディネートの知識を持った人材のほうが、高い効果を上げられると考えられます。色彩検定の取得、また美術学校の卒業などは必要ありませんが、ある程度のデザインセンスを持ったラウンダーを選びましょう。
「ラウンダーの言う通りにしたのにうまく行かなかった」「他社からのアドバイスのほうがわかりやすい」ということが続くと、取引先からの信用はどんどん低下していってしまいます。こうなると、製品に対しても積極性が失われかねません。
そのような事態を避けるためには、信用できる存在であり続ける必要があります。「この人の言うことなら」と思わせるような力を持った人材であれば、売り場担当者も積極的な製品PRに力を貸してくれるでしょう。
信頼できるラウンダーに出会うためには、優秀なラウンダー委託会社であるかを見分ける必要があります。事前に確認しておきたいポイントは3点です。
この3点から候補が絞り込めたら、「社員の教育体制」や「採用基準」などについても確認します。事前にしっかりと推察することで、信頼できるラウンダーに出会える可能性は高くなるでしょう。