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家電量販店
近年、家電量販店の売上はいまいち伸びず、苦しい状況が続いています。特に来店者数が少ないわけではないのに、売上が低迷している現象に悩む店は多いもの。しかしその一方で、例年以上に売上アップを果たしている店舗も存在します。両者の違いは一体何なのでしょうか。今回は、家電量販店が売上を上げるための工夫をご紹介します。
インターネットの普及は、家電量販店にも大打撃をもたらしました。いまや多数の通販サイトで、値段を比較しながら家電が購入できる時代。さらに通販サイトは店舗を持たないため、家電を格段に安い値段で売ることができます。その結果、家電量販店で購入するよりもお得に商品をゲットできるとあって、消費者は店舗離れしているのが現状です。
お店で家電を購入できる場は、家電量販店だけではありません。全国展開されているディスカウントショップも家電の販売に乗り出し、家電量販店よりも安い価格で商品を売り出しています。同じ新品でも、型落ち品というだけで大幅に値下げされていたり、中古品を中心に取り扱っていたりと、さまざまな工夫が消費者の心を捉えているようです。
家電量販店が不況である最大の原因は、店舗がショールーム化していることかもしれません。店舗で商品を手に取って確かめ、購入は通販サイトで行うという、いわゆるショールーミングが近年の傾向。このような購入形態の普及には、やはりインターネットの存在が背景にあります。スマホですぐに検索できる機能が、家電量販店を苦しめていると言えるでしょう。
店舗の強みは、買ったそばからすぐに商品を使うことができる点にあります。この利点を活かして、電池や電球、家電のフィルター類といった消耗品を販売するのはいかがでしょうか。そのほか日用品やペット用品も合わせて置いておくと、ついでに購入してくれる可能性が高まります。また、定期的に店舗内でイベントを開催するのも効果的です。家電とは無関係の住宅、車、保険などの商談会を催すことで、普段家電量販店には行かない人達を呼び込むことができるでしょう。
多くの家電量販店では、すでに実施されているポイント制度。もし取り入れていないとしたら、それは大きな損かもしれません。ポイント制度があることで、消費者は「もっとポイントを貯めたい」という欲求に駆られ、リピーターになってくれます。また、ポイントが貯まったあとの特典にも着目すること。景品や割引など、消費者が欲しいものと交換できるようにしなければ、消費者は魅力を感じません。まずは顧客のリピートを促すため、ポイント制度を導入してみましょう。
店舗の売上を伸ばすためには、ラウンダーと呼ばれるスタッフの存在が大きく関わってきます。ラウンダーとは、本社で決まったプロモーション内容を、直接店舗で具現化してくれる人のこと。たとえば商品の陳列の仕方に変更があったら、それをラウンダーが店舗で行ってくれます。そうすることで、本社から各店舗へきちんと情報が伝わりますし、本社決定の内容をやらない店舗がなくなります。結果、販促強化期間に、売上アップが見込めるのです。
店舗では、通販サイトに負けない点を強化していくことが大事です。なかでもパソコンの初期設定サービスや、各電化製品の操作方法の説明など、対面でしかできないサービスに力を入れたいところ。実際に、対面サービスの充実化で売上アップを叶えた店舗もあります。複雑な操作が必要な商品ほど、このようなサービスが用意されていると、家電にあまり詳しくない人には大助かりです。店舗購入が多い高齢者にも好評のため、対面サービスの強化は売上アップが期待できるでしょう。
あらゆる策を講じてもなかなか売上につながらない場合は、ラウンダーの導入がおすすめです。とある会社では、消費者が支払ってくれる金額、つまり年間投資額は毎年横ばいですが、ラウンダーを導入したことで売上自体は年々増加。導入3年目には、導入前の120%もの売上を出しました。ラウンダーを活用してから、前年度以上の売上があるという結果は、家電量販店を救う希望かもしれません。今後、売上を伸ばしていきたい店舗は、ぜひラウンダーを取り入れてみましょう。