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コラム
2019年2月に株式会社メディアフラッグが、「試食サンプルによる発注促進」というサービスを開始しました。ラウンダーによる従来の売場提案と違い、メーカーサンプルを無人試食コーナーに展開させます。このサービス開始に伴うラウンダーへの影響を探っていきます。
店舗側の現状の課題としては、新商品等の販売スタッフや陳列スペース不足が挙げられます。それによって、本部で注力して販売強化していくと決まった商品についても、そもそも店舗から発注が行われないという問題が起きています。
今回話題となっているこのサービスでは、その課題を解決し、店舗に注力商品の導入と発注を継続実施させるという狙いがあります。
店舗側にとっては、無人販売によって人件費が抑制でき、また試食サンプルという形をとることによって、新商品の購買動向を発注する前に把握できるようになります。
それによって店舗側でも余計な経費をかけることなく、店舗の販売力に見合った商品と数量を選定できます。また無人試食コーナーだけであれば、マネキン販売のように広いスペースを確保する必要性がなくなり、陳列スペースを圧迫することもありません。
課題を解決する売場提案により、店舗側としても新商品導入と発注を継続しやすく、注力商品を決めた本部にとっても大きな効果が期待できます。
では、このサービスは、ラウンダーの仕事にどのような影響を与えるのでしょうか。実は、定期的に店舗を巡回している「定期ラウンダー」と、本部交渉後にスポットで店舗に派遣される「スポットラウンダー」どちらにも関係します。
無人試食コーナーの提案は、店舗側にメリットを説明しやすく、新たな売場提案の一つとして営業にとっての強みになるはずです。そのため、このサービスが導入されるケースは今後増えていくと予想できます。その場合、定期ラウンダーもスポットラウンダーも、提案に携わる機会が増えるでしょう。今後ラウンダーとして働くにあたり、より店舗との信頼関係が重要になっていきそうです。
試食サンプルを使ったこのサービスは、売場の在り方を変えていく新しい手段として、注目が高まっています。類似したサービスの拡大の可能性もある中で、ラウンダーとしての活躍の幅は今後も広がっていくことが予想されます。